多多益善

大学の公開講座に通っていた頃は、勉強してもしても足りない気がしていました。大学生や留学生と違い、週に1、2回の授業しかないのです。

私はすっかり愛読書になった『ケイコとマナブ』でさらにこれは!という学校を探し当てました。そこはある企業の社員教育を目的とした部門のようでしたが、もちろん一般の人も参加でき、私がなにより気に入ったのは、授業は隔週だけど週末の土曜か日曜のどちらか、午前3時間 午後3時間 計6時間の授業を受けるという点です。

クラスは上から2番目の上級クラスに決まりました。2人の先生が午前と午後をそれぞれ担当してくださいます。午前は中国の時事ニュースを扱ったテキストをやり、午後は中国語の映画を字幕なしで聞き取っていく練習をしました。そして授業はすべて中国語ですすめていくのです。

新しい単語の意味の説明も中国語、聞き取ったせりふの説明も中国語。「何を言っているのかわからない」ということはありませんでしたが、1日に6時間集中して中国語を聞くのはかなり大変なことで、授業のある日は帰るとほんとうにぐったりしてしまいました。

しかし大変なだけのことはあるもので、2ヶ月3ヶ月と通ううち、授業のある日も最初の頃ほど疲れきるということがなくなり、中国語を聞くことに心理的な抵抗がなくなってきました。
そして半年ほどすると自分自身で聴力が格段にレベルアップしたと確信できるようになったのです。これはうれしい発見でした。

3年近くそこには通いましたが、けがで入院したのをきっかけにやめることになりました。やめる直前は1番上のクラスに上がって翻訳をやるようになり、授業すべてが中国語というわけにいかなくなってちょっと残念に思っていたこともあります。

勉強は少しずつでも毎日というのも大事なことだとは思いますが、語学においては、特に聴力は一定期間密度を濃くして勉強することが非常に有効だと思います。

留学経験のない私にとって、ほんとうに貴重な訓練の場を与えてくれた教室でした。