試験への期待

仲の良い中国語仕事仲間2人とランチしてきました。

いろんな話が出たんですが…盛り上がった話題の1つは、検定や資格試験への期待度が、学習者と世間一般(中国語を使う人材を使う側)とではギャップがあるのではないかという話。中検○級とか、HSK○級とか、通訳案内士とか、確かに一定の実力を示すもので、それを目指してがんばる学習者もたくさんいる。目標を設定することで励みにもなるし、自分を客観的に見ることにもなるから試験を受けること自体は悪くはないんだけど、試験合格を「目指しすぎて」、合格しさえすれば、というように試験への期待度が高くなりすぎる人が多いんじゃないか、というのです。

実際に自分たちに仕事が来る経緯を考えてみると、非常~~に多くの場合が紹介です。逆に考えて、自分が都合が悪くて「誰か紹介してください」と言われて紹介するとしたら、やっぱりいいかげんな人は紹介しない。だから、紹介された時点である意味、採用試験に合格したということなんですよね。

じゃあ、安心して任せられる人ってどんな人かというと、中国語力、通訳力、翻訳力はもちろんなんですが、社会人としてちゃんと仕事ができるかの部分が大きいと思います。いつもメールが返ってこないとか、パーティ通訳にセーターで来ちゃうとかいう人は紹介したくないですね。

こういう仕事の回り方がいいのかどうかはわかりませんが、市場もあって、試験を含めた語学力に対する評価基準をちゃんと持ったエージェントがたくさんある東京などはともかく、北海道ではこれが実情です。

中国語講師の仕事もしている友人たちは「だから試験は受けなくていいよとも言えないしね」と笑っていましたが。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2019

コメント

  1. はるさめ3428 より:

    私も数年前までは、中検準1級に受かりたくて「合格しさえすれば。」という気持ちで必死で勉強していました。
    しかし、あんなに受かりたかった中検準1級に、いざ合格してみたら特に合格前と何も変わっていないし。
    夢見たほどペラペラにも全然なっていないし。なんだか拍子抜けでしたよ。実際。

    ってことで試験に期待するのは、その時くらいから止めてます。

    今は、学生の期末試験のような扱いで、1年に1~2度、レベルチェックのつもりで受けています。
    あと、試験会場で他の受験生を観察したりするのが楽しいです。

  2. cowley より:

    はるさめさん、こんにちは。
    偉そうなことを書いていながら、私にもこういう経験はあるんです。中検準1級(当時は2級)を目指していたころは、
    毎回少しずつ点数が上がっていくのが楽しくて楽しくて、「実力がついてきてるんだ」と思えたんですが、
    通訳案内士のときは(ダメなのが中国語でなく社会だったこともあり)不合格通知を見て自分を全否定してました。

    でもいざ合格してみるとほんとに拍子抜け。私、合格してどうしたかったんだろうと。
    まあ通訳をやってみると、案内士試験の社会で勉強するような内容くらいわかってないと仕事にはならないと
    いうことがわかったので、結果としては受けてよかったとは思いますけど。

    独学者にとって、そして試験が嫌いでなければ、勉強のペースメーカーとして試験はいいと思います。
    私も他の受験生を観察しますよぉ。うわーおじさんがんばるなあとか、あんな若くてこんな高い級を受けるのねとか。
    北海道ではレベルの高い級は受験者がめちゃくちゃ少ないので、「今年は5人もいた!!」とか、
    仲間ができたような気分になるのも楽しいです。

  3. みやび より:

    はじめまして。私は中国語の勉強を始めて1年くらいなのですが、とりあえずの目標は会話ができるようになること。
    なので、試験を受ける気まるで無しなんです。試験でレベルの確認とか考えてないんですよね。
    でも、ネットで中国のラジオ聞くと理解できる言葉が増えていくんですよね。
    「おーー聞き取れるー」って、そんなことで自分のモチベーションを落とさないようにと言うか、楽しさを見つけてやっています。

  4. cowley より:

    みやびさん、はじめまして。
    しばらく仕事に追われていてすっかりお返事が遅くなってしまってごめんなさい。

    試験は必要な人、受けたい人が受ければいいんです。検定試験にまったく縁がなくても、すばらしい中国語を使う方はたくさんいらっしゃいますし。

    私の大好きな言語学者、千野栄一先生が、外国語学習のコツについてお話されたときのこと。「小さな目標を立てて、それを達成したら、ビールで乾杯とか、自分で自分にごほうびをあげなさい」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。
    最近は自分にごほうびって普通のことだけど、私の世代はひたすらがんばり続けるのが美徳でしたから、すごく新鮮だったんですよ。でもごほうびってモノではなく、学習を続けるための気持ちですよね。
    みやびさんが「おー聞き取れる!」とモチベーションを保てるというのは、まさに自分へのごほうびですね。それを見つけられるというのが、もしかしたら語学の一つの才能かもしれないなあと思います。

タイトルとURLをコピーしました