通訳こんなとき

めずらしくお昼に何人かと連れ立って留学生食堂に行った。となりのテーブルに年配の日本人の新同学が座っていたのだが、服務員とこっちへやってきて「悪いけど、ごはんに砂糖が入ってるって言ってくれないか」と言う。見ると、確かにごはんの熱でとけたかなりの量の砂糖がべっとりとたまっていた。

うっ。できれば言いたくない。この人はきっと日本の感覚で「砂糖が入ってる」と言えば替えてくれるものと思っているだろう。でもここ中国ではそれだけではダメで、「替えてくれ」と言って交渉しなければならないのだ。

断るのはあまりにも冷たいだろうか。中国語の練習だと言って、自分で言わせたほうがいいのか。でもそう突き放せるほどこの人とは親しくない。まして私よりかなり年上だ。あるいはこの人のかわりに服務員に「替えてくれ」と言ってあげたほうがいいのか。

結局、砂糖が入ってるということだけ言った。服務員は不服そうだったが、あまりにもはっきり砂糖がたまってるので、結局それをもって厨房に行った。それから替えをもって来ないので、その人は何回も厨房のほうを見たりしていたが、結局はあきらめたらしい。

こういうことは割とちょくちょくある。友だちだったら私はどこまで通訳すればいいのか、はっきりきけるけど、たまたまそこに居合わせて通訳するという場合はききにくいし、できれば面倒に巻き込まれたくないと思う。今回ならば、もし「替えてくれ」と言うとすれば、あれこれと言い訳をする中国人服務員と直接やりとりをするのは私になるのだ。

ほかの人ってこういう時、どうしてるんだろう。特にお金をもらって通訳する場合なんて、どうしてるんだろう。

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