『中国の論理 – 歴史から解き明かす』

この著者の本を続けて読んでいる。今、興味のあるテーマにぴったりだからという理由もあるんだけど、論旨が明快で、読んでいて気持ちがいいのが最大の理由かな。

これも「中国社会の二元化」という一貫した視点での中国史。見通しが明るくなる一冊だった。

「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」

ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿

淡々としたドキュメンタリー。おもしろかったけど、スクリーンで見るほどではないかなあ。ドキュメンタリーそのものはテレビで十分という気がした。

とはいえ、カラスやドミンゴの声のすごさ! あと、聞いたことがなかったけどミレッラ・フレーニも素晴らしかった。やっぱりこの音響は劇場ならではですね。

師走

おかげさまで忙しいです。このところ翻訳が立て続けに入ってきて、しかも急がされる!

1件は10日ほど納期があったけど、途中でできた分を納品してくれというリクエスト。1件は1週間先から1週間かけて、と予約されていたけど、結局3日前倒し、さらに2日前倒し+半分ずつ納品という作業になりました。もう1件は中1日だったけどさほどの量ではなかったので引き受けたところ、作業中に追加が発生し、それでもなんとかやったら「追加分、間違えて昔のファイルを送ってしまったので、やり直してほしい」。ええ、やりましたとも、乗りかかった船なので。そして昨日さらにもう1件入りました。前の3件の最後が最終チェックをして納品というところまで来ていたので引き受けました。

師走は依頼が多いです。翻訳者は師ではないし、走ってもいない(座って仕事…)ですが。友人も「忙しい」と言っていたので、日本全国そうなんでしょう。でも今年は天皇誕生日と土日がくっついたので、この忙しさも連休前までかな。あと数日です!

「湾生回家」

東京へ行ったついでに見てきた。

湾生回家

友人の間では絶賛されていて、「涙がとまらなかった」といった感想もあったけど、正直そこまでではなかったかな。

戦争に運命を左右される人はたくさんいるけど、湾生の人たちはなつかしい地にまた行くことができるし、なつかしい人に会うこともできる。まだ恵まれている方だ。もちろん、戦争によって変えられてしまった自分の人生にはくやしさや悲しさやいろんな思いがあって、それは恵まれているからといって軽くなるわけではないけど。

強いて言えば、やっぱり映画の作り方かなあ…。お涙頂戴とは言わないまでも、「泣くよね」と想定した映画のように感じられる。ちょっと重い。

あと「ふるさと」は…。本人たちにとって大切な歌で、それが事実だということはわかるけど、この歌はあまりにも使い古されてしまっていて、すれた日本人(私)は白けてしまうんだよね。

そんなわけで、私にはいま一つだった。

『作家の使命 私の戦後―山崎豊子自作を語る 作品論』

先日中国人の友人と話しているとき、なぜか『大地の子』の話になって、それに刺激されて読んだ本。その時、彼女は非常に興奮して、中国での大学時代、日本語の先生が「ぜひ読むように」と勧めてくれたのが『大地の子』だったと話してくれた。中国では手に入れることができない本だったので、その後日本に留学してすぐに書店で探して読んだが、読みながら泣いた。ドラマの放映はすでに終わっているし、レンタルでも見つからないのでまだ見たことがないが、ぜひ見たい。その後山崎豊子という作家に注目し、何冊か読んだが、すごい作家だと思う。中国では考えられないタイプだ…とのこと。

まったく同感だ。

たぶん山崎豊子を読み始めたのは中学生、当時は松本清張も好きで読んでいたが、松本清張の小説が「昭和」という時代にこだわって今では古くなってしまった感があるのに対し、山崎豊子の小説は今でも新しい。

山崎豊子を読むと、最近の書店に並んでいる吹けば飛ぶような小説、読む気がしない。