言語

ときどき「○○語が世界で一番美しい」という言い方に出会いますが、とても違和感があります。

日本人にとって、日本語はあまり美しいと感じる言語ではないようですが、大学院の中国語音韻論の先生(中国人)は、「私は日本語をとても美しいと感じる」と言っておられました。先生によると、その美しさは説明がつきます。言語音声は子音(噪音)と母音(楽音)でできていますが、子音にはいわゆる「響き」がないのに対し、母音には「響き」があります。日本語は開音節でできていて、必ず母音で終わる、つまりどの音節にも響きがある。さらに、日本語の子音の噪音は激しいものが少なく、耳障りではない。「だから、私が日本語を美しいと感じるのは当然なのです」と。

でも先生は「日本語が一番美しい」とは言われませんでした。「どの言語を美しいと思うかは人それぞれです」。私が「抑揚が比較的平板な日本語を話す私にとって、四声の抑揚は美しいと感じます」と言うと、にっこり笑われたのを忘れません。

それから、日本人は「日本語は難しい」というのが大好きだなと感じますが、どんな言語も、その言語が使われている環境(国とか、民族とか、地域とか)で過不足なく意思の疎通ができるという意味でまったく平等なはず。尊敬する言語学者の千野栄一先生の講義を受けた時、先生がおっしゃった「どの言語でも、その言語で政治ができ、ロケットを作れている」という言葉が端的に言い表していると思います。

「○○語が一番好き」と言うのはいいですが、客観的指標で判定したみたいに言語を「一番美しい」「一番難しい」というのはイヤですね。

……少し気持ちに余裕があるのか、忙しい現実から逃れたいからなのか、以前勉強した言語についてふと思い出しました。久しぶりに千野先生の本を読んでみようかなあ。

この本、タイトルを見るとマニュアル本みたいですね(笑)。でも私の中では、本当にわかりやすい言語学の入門書です。

第3版

小学館日中辞典の第3版が出ています。

うわ~悩ましいなあ。最近では紙辞書をひかないどころか、電子辞書ですらひくことが少なくなってきているし、今紙辞書?という気がしなくもないですが、小学館の辞書は素通りできない感じがします。逆に言えば、この時代にわざわざ紙辞書で出すのだから、それなりの自信があるのだとも考えられるし。

仕事のためにではなく勉強のために引くなら、寄り道のできる紙辞書のほうが絶対いいと思います。じっくり落ち着いて勉強する時間がとれない日々に風穴をあけるべく、辞書を買ってみるのもいいかもしれません。

…なんて言っていて、ChineseWriterに入ったら、やっぱりそっちを買うだろうなあ。

終了!

先日、仕事のほかに取り組んでいることがあると書きましたが、実は放送大学(学部)の卒業研究論文を書いていました。それがやっと、書き終わりました! バンザーイ。

大学院を出る時に、何らかの形で勉強を続けたいと考えていましたが、まあいろいろあって、ベストなやり方をずっと探していたって感じでした。卒業して終わりじゃなく、生涯学習として勉強したいなあと思っていて、でもせっかくなら納得のいくレベルの勉強をしたいし…と欲張り、方向性が見えるまでちょっと時間がかかってしまいました。

いよいよ大学に入ろうかなと思い始めた頃は、通訳と翻訳の仕事が多少はあるけど、ものすごく忙しいわけでもなく、収入の面でも時間の面でも勉強するにはちょうどよかったのです。なので非常に楽しく、どちらかというとのんびりと勉強を続けていました。

ところが、だんだん単位がとれてくるし、在学期間も期限切れに近づいてきて、このままでは卒業させられてしまう、いよいよ論文を書こう!となったタイミングで非常勤講師の仕事が次々に舞い込み、一気に時間がなくなってしまいました。ホント、これは誤算でした。

正直、この1年はきつかった。ただ、本当にすばらしい指導教員に巡り会えて(これは嬉しい誤算でした)、自分なりに一所懸命書きました。まだ審査は残ってますが、とりあえず一段落です。

今後のことは書き終わったら考えようと思っていましたが、今のところは、もう少しやってみたいという感じ。具体的にどうするかはこれから先生と相談します。

 

あと…この「生涯学習」について、いずれサイトの片隅に思うことなどを書こうかなと思っています。