なんでこんなに

このあいだ借りた本を返しに図書館に行った。そのあと、ちょっと使えそうな本をみつけたので借りようと思ってカウンターに行ったら、貸し出しカードを機械にかざせと言う。あらま、本人のカードかどうかも確かめないのね、と思ってかざしたらこのカードは期限切れだという。

ええーっ。これ、こないだ作ったばっかなのよと言うと、あらそう。1階の事務所で聞いてみて、とけんもほろろだ。カウンターの人は別に悪くはないけど、がっくりきて、事務所に行く気力もない。

どうして中国ってこうがっくりくるようなことが多いんだろう。私が何をしたというの。

私の必殺

風邪をひきそうな感じがもうずっと続いている。要するに寒くて空気が乾燥しているので、すぐにやられてしまうのだろう。

この年になると、自分の風邪のパターンというのもだいたい確立している。私の場合は寒いとか疲れたとかがステージI、のどが腫れたらステージII、熱が出たらステージIIIで、こうなると休まないで治すのはかなり難しい。風邪薬は熱が出てからの対症療法にすぎないので、ステージIIでのどの炎症を治してしまわなければならない。

これだけ風邪のパターンがわかっていると、対策も万全だ。

(1)龍角散のど飴。薬くさい。乾燥してほこりっぽい日にはなめる。これがのどにしみるようになると、ステージIIなのでやばい。

(2)のどスプレー。ルゴールというヨードチンキみたいなのをのどに直接塗る薬が以前あったが、要するにそれだろう。

(3)使い捨てカイロ。首のうしろに風邪のつぼがあるらしい。カイロでここをあっためて寝ると汗をかいて治ってしまう。今は湯たんぽを使っている。

(4)ヴィックスヴェポラッブ。おかあさんのやさしい手で塗りこんであげる塗る風邪薬だ。ステージIIIになって咳がひどくなり、胸や背中が痛くなるとこれが効く。

昨日も夕方ステージIIだったので、湯たんぽを枕の首のところにあてて、のど飴をなめながら寝たらとりあえず今日は復活した。でもこの気候だから気をつけなくては。

最後の砂

ここんとこ、なんだかわからないうちに時間がたってしまう。ただ毎日あたふたしてるだけのような気がする。

砂時計の砂は、ずっと同じペースで落ちているはずなのに、最後のほうになると落ちるのがすごく速くなるように見えるのと同じだろうか。

西へ旅立つ

昨日の夕方、同学が「明日、西線観光に行こうと思うんだけど、一緒に行かない?」と誘ってくれた。観光らしい観光はしていないので、2つ返事でOKする。

朝7時半には迎えが来るからロビーで待てといわれていたのに待てど暮らせどこない。8時、服務員に聞いたらもう少し待てという。8時15分、さすがの服務員もおかしいと思ったらしく電話で問い合わせてくれた。8時30分、迎えの車が来る。服務員が電話してから手配したに違いない。そこからバスの出発地点まで行く。マイクロバスにぎっしり、20人くらいはいた。

見学コースは7箇所あり、咸陽歴史博物館、黄土民俗村、茂陵、懿徳太子陵、乾陵、法門寺博物館、法門寺。とにかくとにかく忙しく、1箇所に30分もいればいいほう。日本のバスツアーだと降りるたびに15分から20分はおみやげタイムがあるが、中国ではそんなものはまったくない。お食事タイムが15分から20分しかないのだ。

そしてどこも入り口のまわりにおみやげを売りつける人々の群れ。茂陵から懿徳太子陵はすぐそばなんだけど、おみやげを売ろうとするおばちゃんたちも売っているおみやげも見分けがつかず、おばちゃんたちが先回りしてきたのかと思った。

一番すごかったのが法門寺で、お線香(といっても太さ5ミリ、長さ30センチくらいが10本くらい束になってる)を売りつけようとするおばあちゃん。私はちょっとしたすきにポケットにお線香をつっこまれてしまい、同学はショルダーバッグの上にのせられてしまった。すごい、すごすぎる。

でも法門寺はよかった。静かでしみじみした。お賽銭をあげるとお坊さんが鉢をゴーンとたたいてくれるんだけど、その余韻が夕刻の薄暗さにとけこんで、しーんとする。やっぱり仏教系の場所は落ち着く。日本人のDNAを感じてしまった。

帰りは西安市内に入ったら接触事故の影響で100メートル進むのに40分かかるありさま。やっと事故現場を抜けて学校についたら9時だった。それからみんなでちょっと飲んで食事。帰ったらへとへとだった。

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*写真は、懿徳太子陵の壁画。あやしげに撮れました。

小さな彼のドラマ

どうやら武術の大会でもあるらしく、班の中の上手な子が最後に別メニューで練習している。昨日はその別メニューに私とH1くんがまざった。

かなりきついメニュー1)武術関係者のために。半套4つですだったんだけど、大会前の真剣な練習をしている子どもたち(小学校高学年から中学生くらい)の前で手は抜けない。彼らの練習の効果も出ないし、私の気持ちとしても特別扱いの楽な練習を目の前でするのは彼らがかわいそうだ。ということで、もう11年ぶりに目を三角にしてがんばりました、はい。

選ばれた子は5人、その中の1人はとても上手なんだけど、練習のときに先生の目が離れていると手を抜く傾向がある。自分がうまくできることは一生懸命やり、できないことは流してやる。体の素質がよくて器用で、言われたらすぐできる子に限ってこういう子が多く、下手するとたいした素質はないけどコツコツ努力する子に最後は抜かれたりする。

その子がある動作2)前掃腿360度からそのままジャンプして360度転身して単蝶歩で着地するで失敗して手をついてしまった。確かにやりにくい動作ではあるけど、彼ならできるはずの動作だ。事実、ほかの子はちゃんとこなしている。先生はなんだそれ、みっともない、ほかの子はちゃんとできてるのに、と言ってやり直しをさせたが、また失敗した。これはチャンスである。こういうときにうまく指導しないと、こういうタイプの子はなかなか意識が変わらない。

案の定先生はものすごく怒った。それはそれはすごい勢いの陝西話で(だから聞き取れないところが多いんだけど)なんで2回も失敗するんだ、失敗しないようにしようと思ってるのか、試合ならどうするんだと罵倒しまくり。そしてもう1回やらされたんだけど、またまた失敗した。

先生は吐き捨てるようにもういい、次をやれと言った。その子はちょっといつもと顔つきが違っている。最後のところに来て少し難しい跳躍動作3)側空翻転体360度の着地を失敗しておしりから落ちた。これまで彼のこんな大きな失敗は見たことがない。もう先生は何も言わない。彼は最後までやってコートを下りたが、目に涙が浮かんでいた。

おえつをはずんでいる息でごまかしている彼に、友達がポケットから出したくしゃくしゃのティッシュを渡したが、彼は受け取らなかった。泣いてなんかいないと言いたいんだろう。涙はきらきら光っていたが、彼は決してぬぐおうとしなかった。

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1. 武術関係者のために。半套4つです
2. 前掃腿360度からそのままジャンプして360度転身して単蝶歩で着地する
3. 側空翻転体360度