服装も準備のうち

ウインタースポーツの通訳をやりました。しかも、屋外競技。

通訳は1に準備、2に準備ですが、今回の仕事では服装も準備のうち、しかも最優先事項。

当日の服装は、上半身・下半身ともにヒートテックの2枚重ね。上はその上にセーターとフリースとコート。下はふつうのパンツの上にだんなから借りたオーバーパンツ。靴下も当然2足、そのうち1足はウールのハイソックス。あとはネックウォーマーと手袋。声が聞こえないと困るので帽子と耳当てはしなかったんですが、あまりにも寒かったらしないわけにいかないですね。

何よりもありがたかったのは「使い捨てカイロ」。特に靴下2枚の間、足の甲に貼り、さらに中敷き型を靴に入れて、足を上下からカイロではさむ状態にしたところ、ほとんど寒さを感じなかったんです! 足があったかいと体もあったかいってホントですね。

途中ホワイトアウトかというほどものすごく雪が降ったりしましたが、おかげで集中力を保つことができました。よかった。今、私の中では使い捨てカイロが人類最大の発明品の位置づけです!

これまでにもあまりありえない場所に行って通訳することがたびたびありましたが、通訳に専念するために、服装もすごく重要だということを改めて痛感しました。服にもお金かけましょう。

冬のスポーツ勉強中

来年2月、札幌で冬季アジア大会が開催されます。通訳としてお仕事をさせていただくために、スポーツ用語を勉強中なのですが、単語だけ覚えるのでは何のことだかわからないと思うので、ルールから勉強しよう!ということで本を探しました。

詳しい方がいいには決まっていますが、そうすると競技ごとの分冊になってしまい、読み切れない気がする。これは競技の概要やルール、用語の説明などがコンパクトにまとめられているのではないかと期待して買いました。ネット注文なので来るのが待ち遠しい。

この本で概要をつかんだら、用語はこの本とネットで調べます。

これは通訳になってすぐの頃、いつかスポーツの通訳をやりたい!と思って買った本。発行は1981年です。用語が古くなっているものもあるとは思いますが、基本的なことはわかるでしょう。
それにしてもあの頃はこんなマニアックでお高い(当時3800円)中国語関連本を出しても売れるほど、日中関係が良好だったんですね。

ところで、夏のオリンピック種目だったら、こんないい本があります。

北京オリンピックの前に出された本だと思いますが、オリンピック各種目の競技のやり方やルールや用具など、すべて図解で説明してあり、ものすごくわかりやすい。この冬季オリンピックバージョンがないか探したのですが、ありませんでした。

2022年の北京冬季オリンピックの前には出るかもしれませんね。もう遅いけど。

終わりました

2日目の通訳も終了。予定変更が重なり、2日目は10時~18時の業務になってしまいました。さすがに最後は頭がジンジンしました。

そんな状態の最後の単元。

話題になったのはアメリカから導入中の新しい考え方やシステム(いくつかある)で、その名前を日本ではすべてアルファベット3~4文字で表現しています。その単元だけ事前に資料を出していただけなかったので、「○○○(アルファベット3文字)」について話すそうです、という情報だけを頼りに調べたんですが、日本でもごく一部で試験的に取り組んでいるもので、日本のサイトでも中国のサイトでもほとんど記載がなく、かろうじて仮訳のような中国語を拾うくらいしかできませんでした。

さて、通訳。「○○○(アルファベット)」と言っても、仮訳の中国語を言っても通じません。中国の方、ぽかーんとしている。その時話者の方、省略された「○○○」の元の英語を蕩々と言って、「さっ、訳して」と言わんばかりに目で合図してきました。いや、その英語の訳(仮訳)だったらすでに中国語で言ってるし、それで通じてないし、そもそも私は英語の通訳じゃないし!

私の中国語が通じないと(というより、中国の方は初めて聞く内容だから知らないだけなんだけど)、それを今度は英語で説明し、その英語を私に訳させようとする。そんなことが数回ありました。よほど英語に自信がおありか、英語なら通じるはずだという信念がある方なのでしょうか。結局のところ、その新しい考え方やシステムを紹介するための話だったので、最終的にどんなものかはわかってもらえたのですが、すごくやりにくかったです。

英語がわからなかったわけではないのですが、英語を訳すのは私の仕事ではありません。外国語と外国語を行き来するのはものすごく負担です。簡単なものだからいいかと訳し、どんどん難しい英語になっていってわからなくなったら、かえって迷惑をかけます。プライベートな会話ならともかく、正式な通訳では英語は訳しません。

以前の仕事で、中国からの学生を引率し、日本のある学者の講演を聞きに行ったことがあります。講演の通訳は別の方がされていたので、私はのんびり聞いているだけでした。講演が終わって質疑応答になった時、ある学生が英語で質問をしたのです。講師の方はわかったはずですが、あえて通訳者に「訳されますか?」と聞きました。通訳者は中国語で「今の質問はこれこれ、こういう内容で間違いありませんね」と確認しました(ということは、通訳者は英語がわかっていたのです。でも英語から日本語へ直接訳すことはしませんでした)。そして中国語で確認した内容を日本語に訳し、講師は日本語で答え、通訳者は中国語に訳しました。きちんとした対応だなあと思いました。

学生は日本の学者と英語でやりとりする!と意気込んでいたのでしょうか。今回の通訳で、この時のことを思い出しました。日中の通訳がいて通訳を通してやりとりすることが前提の場面でほかの言語を使うのは、たとえ英語であってもルール違反じゃないんでしょうか。なぜ英語ならいいと思うんでしょうね。

水やり

通訳業務が終わりました。これで今年度の仕事はほぼ終了です。

今回の通訳業務で、中国代表団の方々にほめていただきました。「話者が話してから通訳までの時間が短くてテンポがいい」「長いフレーズもよどまず確実に訳せている」「使っている単語が的確でわかりやすい」などなど。

うれしかったですが、日本人である私への社交辞令だから割り引いて聞かなきゃとも思いますし、有頂天になっちゃいけないとも思います。

実は最近2~3年、たくさん仕事の依頼もいただき、それなりの評価もいただいてきましたが、何となく焦りがありました。「このままでいいの?」

今年に入ってそれが何か、少しわかってきました。たぶん、インプットできずに貯金をはき出しながら仕事をしていることに対する焦りなのだと思います。

いつまでも自信のない聞き取りの対策。ニュースや新語のフォロー。自分の強みにしたいと考えている分野の勉強。新しい取引先の開拓や人脈づくり。どれもこれもできていません。

これではダメ、もっと勉強したい。今年は去年ほどではないにせよ、忙しさが続く見込みですが、何とかして自分への水やりをします。

今回の代表団の方々にもしまたお会いすることがあれば、上達した通訳をまた聞いていただきたいです。

 

喜びと反省

もう2月なんですね。

1月の半ばすぎに大学の授業が終わり、そのいいタイミングで通訳の仕事が入りました。今回は観光を含めて5日間、メインは環境技術関連の講義と視察です。

これは第2陣なんですが、第1陣が来たのはなんと7年前。第2陣が来るというので資料を残してあったんだけど、まさか7年たって来るとは思いませんでした。でもとりあえず残しておいてよかった。

実は去年の9、10月にやった仕事と同じ受入れ団体だったのですが、責任者の方に「前よりスムーズに通訳できてたんじゃない?」と言ってもらえて、ほっとしました。

さて、原因分析。なぜ今回は通訳がうまくいったのか。

①前回の仕事からあまり日がたっていない→口の筋肉の慣れは重要です
②1回やったことのある仕事だった→残した資料で予習がはかどりました
③そもそも好きな分野だ→ヘルメットかぶる通訳はテンション上がります

それから、ここ1~2年やっている翻訳力を上げる取り組みも、もしかしたら効いてるかもしれません。通訳中、これまであまり口から出てこなかった動詞-目的語や形容詞-名詞の搭配を使えているのに気づきました。これにはちょっとびっくり。どんな形にしても勉強したことが力になるものなんですね。

あと、反省もしておきましょう。今回は西北地方の代表団で、普通話をしゃべってるんだけど、やっぱり聞き取りづらいところがありました。特に秘書長(日程とか何とか、一番話さなきゃならない人)がもごもごしてて早口で、ものすごくわかりにくい。ああ、思い出してもへこむ。

聞き取りは永遠の課題です。何か強化策を考えなきゃなあ。